ビジネスマナーの基本

20. お金と贈り物にまつわるQ&A

プライベートシーンではもちろん、ビジネスシーンでもお見舞いや結婚式、葬儀などの冠婚葬祭に出席する機会は多くあります。のしやご祝儀袋など、正しい使い方を心がけておくとともに、相手に対して失礼にならないように基本的なマナーをしっかりと心得ておきましょう。

贈り物をする時に、注意すべきことやタブーはあるのでしょうか。

基本的には相手が喜ぶものであれば問題ありません。

贈り物をする上でタブーとされているのは、相手の趣味や嗜好に合わないもの、嫌いなものを贈ること、相手にとって迷惑に思われるものを贈ることです。

贈り物をする時は受け取る人の立場で考えて、もらって嬉しいものを贈ること。世間一般には贈り物として避けるべきものであっても、相手が求めているものや喜ぶものであれば、贈ってかまいません。ただし、マナーとしては一般的ではなく、NGであることをきちんと踏まえた上で判断すること。

例としては、結婚のお祝いに「切れる」「別れる」ことをイメージするようなハサミやナイフを贈るのは一般常識的にはNGとされています。

しかし、新しい人生を2人で切り開いてほしいというメッセージとともに贈るのであれば、悪い意味にはなりません。
一般的にタブーをされているものを贈る場合は、相手に「常識知らずな贈り物」と誤解されないよう、細心の注意を払うことを忘れずに。

贈り物のタブーについて

相手に贈り物をする時に、品物の選び方によっては不快に思われることもあるので、注意が必要です。ここでは、贈り物のタブーについてご紹介します。

お祝いすべてに共通

・櫛(くし)
その言葉の響きから「苦」と「死」を連想させることから、贈り物としてはふさわしくないものと考えられています。

・ハンカチ
漢字で「手巾」(手切れ)と書くことから、お別れ、絶交を意味することもあります。

・お茶
お通夜や葬式で配られる品物という先入観があります。お通夜や葬式では、袋入りの緑茶が配られることもありますので、贈り物にするならパッケージに工夫が求められます。

・4と9の数字と関連が深い品物
4は「死」、9は「苦」を連想とさせるので控えるのがマナーです。8は末広がりで縁起が良くて、お祝いにふさわしい数字とされています。

結婚のお祝い

・「割れる」「切れる」ことを連想させる品物
鏡やガラス、陶器などは、割れ物なので結婚式のお祝いの品物には贈らないのが一般的ですが、新郎新婦の好みもあり、近年は気にしない人も増えているようです。
はさみや包丁は別れることを連想させる品とされています。お祝いの品物として贈る時は、「新しい人生を切り開いて」というメッセージを添えるようにしましょう。

病気のお見舞い

・タオルやパジャマ
入院したときのお見舞いにタオルやパジャマなどを贈ると、病気が長引くことを連想させることがあります。ただし、入院時の必需品でもあるので、贈る相手によってはOKです。

・鉢植えの花や観葉植物
根付く(寝付く)ことをイメージさせます。病院によっては衛生面に配慮して、持ち込みを禁止しているところもあるようです。

開店、開業のお祝い

・灰皿やライター
火事を連想するので、気にする人も多いようです。

目上の人への贈り物

・肌着
「経済的に苦しくて困っている」ことを連想させるため、避けるべき。

・靴や靴下
踏みつけるものであり、目上の人への贈り物としては、失礼にあたるとされています。

お祝いや贈り物として現金を贈るのは、相手に対して失礼でしょうか。

現金を贈る場合は、表書きを「●●料」と書くと良いでしょう。

贈り物を受け取る人の立場で考えてみたら、気に入らない品物をもらうよりは現金のほうが、素直にありがたいというのが本音だと思います。贈り物は“気持ちを贈る”という意味もあるので、相手の好みが分からない場合などは現金にしてもよいでしょう。

現金を贈れば、受け取った相手はそのお金でお気に入りの物を選ぶことができるので、便利で合理的ですが、悪く言えば少し味気ないようにも感じられます。

このような時には、ご祝儀袋の表の部分に、相手にプレゼントしたいと思っている品物について「●●料」と書くと良いでしょう。たとえば、出産祝いとして現金を贈る場合は、ベビー服料と書き添えておくと良いですね。

現金を贈る場合、人によっては「生活に困っているように見える」と受け取られることもあります。とくに目上の人に贈る時は、関係性を踏まえて慎重に判断しなければなりません。判断に迷う場合は、商品券を贈る方法もあります。

友人の子供の誕生日会に花束とケーキを持参しましたが、友人を困惑させてしまったよう…。花や生菓子は良くなかったのでしょうか?

生花や生菓子を贈る場合は、相手の状況をちゃんとリサーチすること。

花や生菓子は手元に残らない消えものなので、相手の負担になりにくいことは確かです。
ただし誕生日会の場合、友人がすでにお祝いのケーキを用意していることも考えられます。またケーキとは異なる生ものを持参したとしても、友人たちが翌日からしばらく家を空けるとしたら、喜ばれるどころかかえって負担になることもあります。

一方、花束は華やかできれいですが、花瓶を出して飾る必要があるので手間がかかり、相手には負担に感じられることもあります。どうしても花束をお祝いに贈りたいのであれば、誕生日の前の日に届くようにしましょう。

友人から誕生日プレゼントを受け取ったのですが、お返しをしたほうが良いでしょうか。

お返しの必要はないけれど、相手の誕生日にプレゼントを贈るのがマナー。
一般的には、誕生日プレゼントをもらった後にお返しをする必要はありません。そのかわりに、友人の誕生日にはプレゼントを贈るのがマナーです。

結婚祝いや出産祝いなどは、誕生日プレゼントとは異なり、お返しの品「内祝い」を贈るのが一般的です。
お返しをする必要がないのは、お中元やお歳暮、災害のお見舞いなどです。お中元やお歳暮は、日頃お世話になった人に心をこめてお礼と感謝の気持ちを伝えるための品物ですから、お返しをする必要はありません。

料理教室に一緒に通っている友人が飲食店をオープンするので、料理教室の先生と生徒で開店祝いを贈る予定です。のし袋に名前を書く順番は、どうすれば良いでしょうか。

複数人(4人以上)でお祝いを贈る場合は、代表者の名前を中心に書き、左横に外一同と書くのが一般的です。

4人以上で贈る場合は、表面に名前を書くスペースが限られているので、代表者として料理教室の先生の名前を書いて、生徒の名前は書かずに、外一同と書きます。

ただし、これだけだと誰が贈り物をしたのか、先生以外の人の名前がわからないので、中包みの袋に名前を書くと良いでしょう。中包みの袋に書く場合、目上の人(もしくは年齢順)から順に右から書くのが一般的です。先生と生徒が一緒に贈る場合、先生が生徒より年下でも目上になります。生徒の年が同じなら、あいうえお順に並べると無難です。

3人までの場合は、表書きに連名で書いて、名前の順番は一番右側に先生の名前を書きます。生徒の名前は年功序列にして書くのが一般的です。

6ヶ月ほど前に友人が出産したことを今年の年賀状で知りました。出産祝いをこれから贈っても良いでしょうか。

友人が出産したことを心からお祝いしたい気持ちがあれば、今から贈ってもかまいません。

出産祝いは、赤ちゃんが生まれてから1週間後から1ヶ月の時期に贈るのが一般的なマナーですが、出産したことをすぐには知らされないケースもあります。贈り物をする上で、一番大切なことはその人の気持ちですから、心からお祝いしたいという気持ちがあれば、出産後1ヶ月を過ぎても全然かまいません。

出産は、とてもおめでたいことですから、お祝いを受け取る友人は、きっと喜んでくれることでしょう。お祝いを贈るタイミングがずれてしまい、気にかかるようであれば、お祝いのメッセージとともに「遅くなってしまってごめんね」と一言添えておくと良いでしょう。
または、出産祝いではなく「ベビー服料」としてお祝儀を贈ったり、1歳の誕生日にお祝いを贈るという選択肢もあります。

友人が出産してから、数日後に友人の祖母が亡くなりました。お祝い事の後に不幸があった場合、お祝いは贈って良いのでしょうか。

祖母を亡くした悲しみが癒える頃に贈ると良いでしょう。

出産祝いを贈るタイミングは、少しくらい遅くなってもかまわないので、喪が明けるまでの間、49日が過ぎてから贈ると良いでしょう。
不幸があったからといって、出産祝いの品物を贈ってはいけないという決まりはありません。友人が祖母を亡くしたことで深く悲しんでいる場合は、さらに時間をおいてから贈るなど、その時の状況によって贈るタイミングについて判断しましょう。

入社時にお世話になった上司にお歳暮を贈り続けてきましたが、今は疎遠に…。止めても良いのでしょうか。

お歳暮は一生続けるのが本来のマナー。止めるなら、季節ごとの挨拶状に切り替えを。

そもそもお中元やお歳暮を贈るのは「今、自分がこのように仕事ができているのは、あなたのおかげです」という気持ちを伝えるため。お礼と感謝の気持ちが一生続くことを表わすものです。1回もしくは数年間のお礼で済ませたい場合は、お中元やお歳暮はそもそも不適切で、最初から「御礼」として贈るのが適当なのです。

どうしてもお歳暮を止めるという場合は、年賀状やクリスマスカード、暑中見舞いなど、季節の挨拶状に切り替えて感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

結婚式のご祝儀袋におしゃれなデザインのものを選んだのですが、母から「格が合っていない」と指摘されました。ご祝儀袋に決まりはあるのですか?

ご祝儀袋は、お祝いの金額に見合うものを選びましょう。

ご祝儀袋はお祝い金の額に合わせて選ぶのがマナー。

10万円の金額にふさわしいご祝儀袋に3万円のお祝い金では格が合いません。その逆も然りです。市販のご祝儀袋のパッケージには金額の目安が書かれているので、購入時にチェックするようにしましょう。

ご祝儀袋として使われる紙は、白い色のものがもっとも格式が高いとされています。白いご祝儀袋でも、上質紙よりは手漉き和紙(奉書紙)のほうが、格が上になります。さらに、檀紙(奉書紙よりも凸凹がある厚手の和紙)のほうが、さらに格が上となります。
水引にもさまざまな種類があり、赤・白よりは金・銀のほうが、格が上になります。さらに、鶴や亀などがあしらわれたもののほうが、見た目にも華やかになります。

花が描かれたものや袋に淡い色がついたカジュアルなご祝儀袋は、友人や同僚、目下の人にお祝いを贈る場合には問題ないでしょう。ただし、目上に人に贈る場合や、フォーマルなシーンでは、オーソドックスなタイプのものを選んだほうが無難です。

結婚祝いとしてお金を包む場合、一度結んだらほどけない、しっかりと結ぶようにという願いをこめて、結び切りの水引がついたものを選びます。蝶結びの水引は、何度でもほどいて結べることから結婚祝いには使えません。注意しましょう。

会社の同僚に結婚祝い品を贈りたいけれど、本人の希望の品がとくにない場合はどうすべきでしょうか。

これといった希望がなければ、商品券や現金に。贈りたいものリストを作成し、選んでもらうのも手です。

商品券や現金を贈れば、その人が好きな品物を買えば良いので喜ばれることでしょう。それでは味気なく感じられる場合は、結婚祝いの予算をあらかじめ決めておいて、予算に見合う品物をリストにして、その中から希望するアイテムを選んでもらうという方法もあります。

いとこの挙式披露宴に両親と一緒に出席します。私もご祝儀を用意する必要があるのでしょうか?

ご祝儀は一世帯でひとつと考えましょう。

家族で出席する場合は、家単位でご祝儀を用意するのが一般的。両親にご祝儀を用意してもらう場合、自分のご祝儀は用意しなくてかまいません。その代わりに、招待されたお礼として、結婚祝いのプレゼントを用意すると良いでしょう。

ただし、自分が結婚してすでに別の世帯を持っている場合は、ご祝儀は両親とは別に用意します。お祝い金は、あまり無理をせずに、自分の身の丈に合う金額であれば十分です。

自身の結婚祝いをすでに受け取っているのであれば、同じ金額を包むのが一般的なマナーです。

友人が再婚することになり、披露宴に招待されました。再婚の場合、ご祝儀はどのようにすれば良いでしょうか。

初婚でも再婚でも普通通りに、お祝いをするのが一般的です。

2度目の結婚でも、おめでたいのは同じですから、お祝い金として見合う金額をご祝儀として贈ります。

ただし、友人が最初に結婚した時に披露宴に招待されて、再婚の披露宴にも招待されて、2度もお祝い金を包むのに抵抗があると思うなら、披露宴は欠席しましょう。

欠席する場合は、欠席のお詫びとあわせて1万円程度のご祝儀を贈るか、お祝いのプレゼントをするなどの心遣いがあると良いですね。

友人が結婚することになりましたが披露宴は行いません。未婚の友人は結婚祝いのプレゼントを贈るそうですが、私は自分の披露宴でご祝儀3万円をもらっています。どう対応すべきでしょうか。

ご祝儀でもらった額の半額程度のお祝いを贈りましょう。

友人からご祝儀をもらっていたのなら、お祝いに現金を包むのがマナーです。ただし、披露宴を行わないのであれば、友人のお返しの負担を考慮し、金額は1万5000円か2万円程度にすると良いでしょう。

もし、この金額で少なすぎるのではないかと思うなら、結婚祝いの品物も一緒に贈ると良いですね。

お正月に上司家族と偶然会いました。上司の子供にお年玉を渡したほうが良いでしょうか。

上司の子どもにはお年玉を渡さないのがマナーです。

お年玉は家長が年下の人に分け与えるものなので、上司の子供に渡す必要はありません。子供ではあっても、自分よりは目上の人の子供ですから、立場としては自分よりは上。お年玉を渡すことで、かえって失礼にあたります。

パーティの参加費やポチ袋に入れて渡すお金は、新札で渡すべきでしょうか。

なるべく新札で渡しましょう。相手にも好印象です。

可能な限り、新札で渡したほうが相手も気持ちよく感じられるものです。普段から新札を用意しておくと、いざという時にすぐに出せます。どうしても旧札しか用意できない場合は、布の上から軽くアイロンをかけて、しわのばしをするとキレイになります。

友人が怪我で入院して、お見舞いに来てほしいと言われました。お見舞い金を持っていくべきでしょうか。

お見舞いに行くことが大切。お金より退屈しのぎになるアイテムをプレゼントして。

お見舞いには現金が良いとされていますが、親しい間柄であれば会いに行くだけで喜んでもらえるでしょう。
入院中の退屈をまぎらわすようなゲームや雑誌など、気の利いたアイテムをお見舞いとして持って行くのがおすすめです。花を持っていくのも良いですね。

近所の神社で厄祓いをしてもらう場合、祈祷料はどのような形で渡せばいいですか?
 

蝶結びの水引のご祝儀袋に現金を入れ「玉串料」または「初穂料」と書いて渡しましょう。

ご祈祷をしてもらう場合、ご祝儀袋を用意して玉串料、または初穂料と書くのが一般的です。神社やお寺でお金を渡す場合の注意点として、お金を剥き出しで渡すのは失礼にあたるので、必ず袋に入れて渡すのがマナーです。

ご祝儀袋の水引は、蝶結びのものを使うのが一般的とされていますが、その地域での古くからの風習などによっても、さまざまな違いがあるようです。関西ではあわび(じ)結びの袋が、結婚式などのお祝い事でよく使われており、神社でのご祈祷にも用いることがあります。ご祈祷の金額は、神社で独自に決められているところが多いので、参考にすると良いでしょう。

お世話になった上司がリストラで退職する場合、退職祝いの表現はどのようにしたらよいでしょうか。

のしを付けるなら、表書きは「これからもお元気で」や「松の葉」に。

上司にはこれからの人生、新たなる旅立ちにエールを贈りたいという気持ちで、それにふさわしい贈り物をすると良いでしょう。メッセージを贈るのであれば「これからもどうぞお元気で」「今後のご活躍をお祈りします」という言葉が適切です。

贈り物にのしを付ける場合、表書きは「御礼」ではなく、気持ちが伝わるものを選ぶようにしたいものです。「これからもお元気で」や、同じ意味を持つ「一路平安」、ほんの気持ちという意味を持つ「松の葉」などを選びましょう。
「お餞別」は目上の人に対しては失礼にあたるので使いません。

旅行で先輩の宿泊料金を立て替えたものの、まだ立て替え分が未納です。失礼にならないように請求する方法はありますか?

先輩が気まずい思いをしないよう、さりげなく催促を。

注意すべきところは、先輩に恥をかかせないように、気まずい思いをさせないように気配りすることです。

催促する時は、他の人がいない時に「そういえば…」と、ふと思い出したかのように切り出すといいですね。ほかには「今月はお財布がピンチで、●日までにお金がないと…」と切り出す方法も。

金額によっては手持ちのお金がなくて、すぐにもらえないこともあります。頻繁に会う機会がない場合は「今度●日に会う時にお願いします」と事前に伝えておくとスムーズですね。

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