ビジネスマナーの基本

3.社内文書について

社内文書というのは、儀礼的な表現を必要としないので難しくないと思われがちですが、だからこと文書をまとめる力というものが必要になってくるのです。会社によっては、社内文書の形式を統一しているところもありますので、決まりがあるようであれば合わせなければいけないのです。 

社内の人同士で交わす文書というのは、最低限の礼儀が守られていれば問題はありません。時候の挨拶などの前文を書く必要がないという点では楽ですが、内容をまとめる力というものが大切になります。相手が効率よく文書の内容を理解出来るよう、要点がすぐに伝わる表現方法をしなければいけません。また、文書の作成や提出のタイミングというのも考えなければいけません。相手の仕事に支障が出ないよう、早すぎず遅すぎずベストのタイミングを計らなければならないのです。

社内の人が読む文書ですので、過度の敬語を使用する必要はありません。「です・ます調」の文体であれば、何の問題もありません。上司であれば過度の敬語を使用してもいいのではと思うかもしれませんが、上司にあてる文書として適切な表現方法とは言えません。頭語や時候の挨拶、安否の確認、結語は、社内文書では基本的には使用をしません

社内文書の場合、敬語は読み手側の立場であったり文書の内容によって、臨機応変に使用をするようにしましょう。始末書や進退伺などのような、会社における自分の立場をかけた文書の場合、反省の意が伝わるように最上級の丁寧な表現を使用するようにして下さい。電話の伝言メモなどの日常的に行なう業務の文書作成の場合、丁寧過ぎる表現は不自然になってしまいます。相手を敬う気持ちを持つ必要もありますので、最低限の敬語は必要になりますが、内容をきちんと相手に伝えることを最優先に考えなければいけません。

社内文書の種類

・指示や命令を行なうことを目的とした文書・・・指示書、通達文、辞令など
・報告や届け出を行なうことを目的とした文書・・・報告書、企画書、稟議書、申請書など
・社内の連携や調整を行なうことを目的とした文書・・・伝言メモ、回覧文、案内文など
・記録や保存を目的とした文書・・・議事録

社内文書を作成する際のポイント

社内文書というのは、どうしても文章量が多くなりがちになってしまいます。長い文でも相手に言いたいことを伝えるために、結論を先に述べておき、後からその理由を客観的に書くようにしましょう。

事実を簡潔にかつ明確で分かりやすい表現を使用することは、非常に大切なことになります。5枚以上の文書になる場合は、初めに箇条書きで要約をしておくと、相手への配慮が伝わりますし、相手も文書を理解しやすくなります。

簡潔で分かりやすい文書を書いたとしても、期限を過ぎているものであれば何の意味もありません。文書を作成する際に期限内であるかどうかは、まず考えておかなければならないことと言えるでしょう。

以下に、会社に所属していれば目にする可能性がある社内文書をご紹介しておきます。作成時のポイントも説明してありますので、参考にして頂ければと思います。

報告書

箇条書きで伝えなければいけない項目を記入します。データなどを使って説明が必要な場合は、 別紙で資料をまとめるようにして下さい。結論は誰にでも分かる表現で端的に述べ、結論を導くための理由を論理的に話していきます。決定事項に関しては、個人的な意見は入れずに客観的に説明をするようにしましょう。

掲示文

パッと見ただけでおおよその内容が分かるよう、簡潔にまとめる必要があります。日時や場所などの具体的な項目は、箇条書きにして見やすさを重視させます。

稟議書

会社の中でも上層部にいる方たちが見る文書であるため、社内文書の中でも丁寧さを重要視します。稟議書に記載した内容を認めてもらえるよう、会社への利益やプラスとなる効果をしっかりと訴えるようにします。購入したいものの効用を簡潔に述べ、品名や価格など重要な部分は箇条書きにしましょう。具体的な内容であれば、決裁がスムーズにいきます。

顛末書・理由書

顛末書や理由書といった文書は、トラブルが発生した際にトラブルの経緯を説明する文書です。事実を客観的に述べて、今後の対応策をしっかりと示す必要があります。トラブルの経緯は、問題が起こった時系列順に記入をすると、流れがより分かりやすくなります。

文書の始めとしては、5W2Hの中でも、「いつ」「どこで」「何が」の内容を簡潔に述べるところから始めて下さい。簡潔に説明を行なうために、箇条書きで記入をするのがベストです。どれくらいの損益や被害が出るかを、具体的に数値で記すように心がけましょう。トラブルの内容だけでなく、現在どのような対応を行なっているか、今後の対応策に関しても記入をしなければいけません。

始末書

始末書というのは、会社に提出をする反省文のことです。トラブルを起こしたということに対して、反省とおわびの気持ち、再発防止に向けての決意を、会社側に示すための文書なのです。誰が見ても分かるように、自分が起こしたトラブルの内容を簡潔に説明するようにしましょう。その際に、弁解や言い訳などは一切記入してはいけません。自分の過失と不始末を明らかにするのです。
損害が発生をしてしまっている場合は、別にきちんとした形で文書を作成するようにしましょう。顛末書を添えてトラブルの具体的な内容を説明するという方法もあります。トラブルを起こしたことに対する反省の気持ちと今後の決意をしっかりと述べ、会社に処分を委ねるようにします。

進退伺

進退伺とは、トラブルを起こした際に、管理する立場にある人が提出をする伺い書のことです。 トラブルの内容を伝えることよりも、謝罪の意を示す意味合いが強い文書で、定型的な文書の内容になることがほとんどです。管理者として、自分の監督不行き届きであることを謝罪し、責任は自分にあるということを伝える必要があります。進退伺を作成する際は、自分のことを「小職」とへりくだった呼び方で書くことが多いです。予期せぬ事故や防ぐことが不可能だった事故でも、管理者としての責任を負うという気持ちを述べなければなりません。
進退を会社に委ねるため、辞表を同封する必要があります。 

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