ビジネスマナーの体験談

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17.苦手でもコミュニケーションをとる気持ちが大切(製造業)

私は32歳会社員、仕事は製造業の品質保証部門で技術職として働いています。 今の部署は2年ほどで、入社して12年になります。
以前は運転部門で新入社員の教育担当をしていた時期もありもありました。

技術よりもまず人とのコミュニケーションを取ることが大切

その経験の中で、私が新入社員に求めるのは 「技術があるに越したことはないけれども、重要なのは人とコミュニケーションを取ろうとする気持ち」です。

運転部門に配属になる高卒新入社員も様々な社員が居て、工業高校卒業の社員もいれば、普通科卒業やスポーツ学科などを卒業した社員もいました。工業高校卒業の社員はもちろん専門の勉強をしてきたということもあり、教育期間中のテストや技術的な質疑応答にも素早く答えることができます。

それに比べて普通科などの専門がない社員の場合、多くは最初の教育期間で2歩も3歩も遅れを取ることになります。単位の換算など工業高校卒社員はすんなり出てきますが、普通科卒社員はまずぱっと出てくることはありません。

しかし、私がこれまで観察してきた結果では、配属半年~1年もするとこの傾向が逆転することがよくあります。工業高校卒は教育期間は優秀だと言われることが多いのですが、いざ現場に配属されるとこちらが予想していたよりもずっと低い成果しかだせず、逆に教育期間では「この子はちょっと現場でやっていけるのか?」と思っていた普通科卒業の子が現場では重宝されるのです。

実際に配属後の上司たちにも話を聞いたところ、元々技術を持っている前者の新入社員は大部分があまりコミュニケーションを取るのが苦手らしく、分からないことがあっても聞けなかったり、先輩との関係がうまく結べず、孤立がちになってしまうそうです。

それに対し、最初出遅れていた技術を持たない後者の新入社員は、出来ないなりに周りに聞いたり、自習したりする癖が教育期間で付いているので、テストの点数はぎりぎりでも、他人との関係を積極的に結び、問題を解決するため、職場ではムードメーカーになったり、勉強しようとする姿勢が高い評価となり、活躍するケースがよくあります。

高卒社員だけではなく、大卒でも同じような話があり、やはり学生時代にサークル活動やアルバイトなどを経験している新入社員は、目上の人や同期に対しても円滑にコミュニケーションを取ることができるため、職場でもすぐに溶け込めて活躍する人が多い印象があります。

研究一筋であまり人と接する機会がない人は、どこか頭でっかちでよく「頭はいいんだけど・・・(人としてはあまり)」と言われます。

どんな職場でもコミュニケーションは必要。苦手でも気持ちだけは持ち続けて

私の勤めている会社は製造業で、もちろん技術を持っていることも重要ですが、仕事の大部分は他部署との調整であったり、請負会社との打ち合わせだったり、役所への折衝だったりと「人」とコミュニケーションを取ることがほとんどです。

技術はなくても「すみません、ここが分からないので教えていただけますか?」と、その一言が言えるのと言えないのとでは、間違いなく将来の出世も変わってくると思っています。学校では勉強は教えてくれますが、コミュニケーションはまず教えてくれません。

私自身も工業系の学校を卒業し、今の会社に入りました。今は学生時代に勉強したことはほとんど忘れてしまいましたが、学生時代にアルバイト先で学んだ接客の仕方、研究の成果を発表するときの話し方、先生に結果を報告する時の報告の仕方などは、今の仕事でも十分に活用しています。
学生時代に「自分は人と話すのが苦手だから、そういうのがない職場に行きたい」という人もいましたが、確実にこれは言えます。
「人とコミュニケーションを取らない職場はない!」
どんなに人と話すのが苦手でも、社会の中で生きていく以上は「コミュニケーションを取ろうとする気持ち」だけは絶対に持ち続けてください。


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