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成功する人、失敗する人。うまくいく転職の情報収集の方法とは?


近年は転職しやすい環境が整い、日本も欧米の先進国のようにキャリアの途中で業種や職種、勤め先を変えることに対して寛容になっています。現状よりさらにキャリアアップし充実した人生を送るために、転職の自由度はかなり広がりました。

 

しかし、転職を希望する人の全てにバラ色の未来が待っているわけではありません。これまで勤めていた会社を辞め新たな職場へと飛び込むことには、大なり小なりリスクはあります。そおリスクがあるからこそ、それを恐れずにチャレンジした人にはバラ色の未来が待っているわけですが、リスクを正確に理解しない人や、それを回避するための手段を講じない人は、逆にキャリアが萎んでしまう可能性すら出てくるでしょう。

 

リスクを理解しつつ、それを最小限に止めるために必要なものは何なのか。特に、転職の成功者と失敗者の両者の違いについてフォーカスしながら、転職活動を意義あるものにするためのポイントを整理します。

転職成功者と失敗者との情報収集に関する違い 

簡単に手に入る情報だけに頼るのは危険

転職を成功させるために必要なものを挙げていくとキリがないのですが、絶対に外せないものの一つに“情報”があります。これがなくても転職できると豪語する人は、そもそも認識不足。よほどのコネがあったり、親族が経営する企業へと転職するなどであれば大した情報を持たずとも問題ないかもしれません。ですがごくごく一般の会社勤めをする人たちが転職する際には情報の質は欠かせない要素となり、その濃度次第で転職の明暗が分かれると言っても過言ではありません。

 

転職がなかなか上手くいかない人や、転職はできたけれどもイメージしていたものよりも悪い状況に陥ってしまった人は、情報収集があまり上手くない可能性が高いのです。

情報の集め方が上手くない人は、そもそも集める情報量が少ないことが多く、あるいは、情報量は多いけれども内容が薄っぺらいとも考えられます。

 

どうしてそうなってしまうのでしょうか。単純に、目で見たものや耳で聞いたものを、それの真偽を確かめたり更に深く追求することなく鵜呑みにする性格の持ち主なのでしょう。言い換えれば、表面だけを見て、それがその対象の全てだと思い込んでしまう性質を持っているのです。

 

求人票に書いてある内容で、その企業の全てを把握したと思ってはいないでしょうか。こういう人は非常に危険です。企業のホームページだけを見て、その企業について熟知したと思い込んでいる人も同様です。テレビや新聞で取り上げられたからといって、「この企業へ転職したい!」などと思っている人はいないと思いますが、もしいたとすれば、それも明らかな情報不足であり、その状態で転職は難しいのは明らかです。

しかし、こうした人たちも決して極端な少数派ではありません。学生が「あの大企業に就職したい」と考えるのと同じような感覚で、「あの有名企業に転職したい」などと考える社会人が非常に多いのです。

 

この流れでお分かりだとは思いますが、当然、このような考え方の人たちは転職に成功することはほぼほぼありません。

 

簡単に手に入ってしまう情報は、あくまでも表面的なものに過ぎないという理解が重要です。

「かっこいいから」、「綺麗だから」、「お金を持っているから」という理由で性格も知らないままに結婚してしまえば、その先に幸せなど待っている可能性は極めて低いでしょう。それと同じことが転職にも言えるのですが、そこへの理解度が低い人が非常に多いのが残念なところ。

 

転職は結婚と同じくらい慎重な決断であることと、それ以前の入念なリサーチが必要且つ重要であることを胸に刻んでおかなければいけません。

  

転職に成功する人がしている情報収集の方法 

すぐに手に入れられる情報だけに頼る人は転職で失敗してしまう可能性が高いということは、入手が困難な質の高い情報を手に入れられる人は転職で成功しやすいということでもあります。あるいは、簡単に手に入れられる情報を鵜呑みにしないという認識を持っている人も、転職の成功率が高い傾向があります。

その理由については後で説明するとして、まず押さえておきたいのは、情報収集の上手な人はどのようにそれを行っているのかという点です。

 

求人票や企業ホームページの最も目立つところに、「うちの企業は業績が悪化の一途を辿っています」などと明記する会社などありません。そんなことをすれば転職する先の候補から落ちて、企業の信用そのものも失墜するからです。

 

しかし、求人票や企業のホームページにそれが記載されていないからといって、その事実がないというわけではないのですが、まずはここが大きなポイントとなります。つまり、そうしたものに記載されていないけど、実は業績が悪化している、伸び悩んでいる企業も多々存在しているのです。

 

それを知るためにチェックすべきは企業の「IR情報」です。インベスター・リレーションズの略であるIR情報は、簡単に表現すると、企業の経営及び財務状況などをまとめた投資家を対象に提供している情報のこと。

投資家は投資先を選択する際、当たり前ですが、企業ごとの経営及び財務状況をくまなくチェックします。それによって今後の見通しを立て、投資するか否かを決定しているわけです。

このIR情報を読み解けば、その企業の現状が見て取れるわけですが、そもそもIR情報は一定のルールに従って公にしなければならず、決算などをごまかすことはできません。

 

転職後に「こんな企業だと思わなかった」と感じたくなければ、IR情報をはじめとした内情や客観性の高い情報を集めておく必要があるのです。転職に成功する人は、もれなくこうした情報を集めていると思っておきましょう。

 

加えて、転職エージェントを利用し、キャリアコンサルタントから情報を集めることも積極的にしている転職成功者たち。キャリアコンサルタントは、一般の人では得られない企業情報を持っていることも少なくありません。これを利用しない手はないでしょう。

キャリアコンサルタントに限らず、あらゆる人脈を駆使して情報を集めることです。

 

共通しているのは、“人”を通じて情報を得ているかどうかです。IR情報はネット環境があれば誰でも入手可能ですが、それ以上に人との繋がりによって情報を得ることの重要性は非常に高く、これが転職に成功する者の情報収集の方法です。

 

なぜ情報収集が上手な人は転職に成功するのか 

転職に失敗してしまうであろう人の情報に対する向き合い方や、転職に成功するであろう人の情報収集の手段等を述べてきたわけですが、では、なぜ後者は転職の成功確率が前者と比較してアップするのでしょうか。

すればするほど応募企業について、あるいは転職市場等についての知識が増えるからです。

 

求人票に記載されているのは、その企業に関する情報のほんの一部分であり、しかもそれは多くの人が思っている以上にわずかなものでしかありません。企業ホームページに記載されている情報も然りです。そのほんのわずかな一部分だけを見て転職先を選べば、転職後に後悔するリスクが高まります。

そもそも、企業研究を全くと言っていいほどしていない人を、どの企業が採用したいと思うでしょうか。

 

情報収集が上手な人は、どのような人材をその企業が欲しているのかを把握しています。その上で対策を立て、「自分を採用すれば業績アップに貢献することができますよ」と職務経歴書や面接によってアピールできるので成功率が断然変わります。

情報収集が上手な人であれば、応募以前にその企業の内情等も調べており、「ここは表面的には評判がいいけど、情報を集めれば集めるほど、それとは正反対の正体が見えてくるから危険だ」と察知し応募するのを控えることも可能となります。応募先の選別にも、当然ながら集めた情報は役に立つのです。

 

情報収集に力を入れ、正しい情報の集め方を知っている人は、キャリアコンサルタントなどに相談する際にも、投げかける質問が非常に的確。情報を集めているからこそ、集められていない情報を尋ねることができるわけです。

 

「どんな会社なのか教えてください」という質問では曖昧すぎて、コンサルタントも困ってしまいますよね。何が聞きたいのかがわかりません。しかし、情報を事前に集めていたり、それによって自分の目指すべきキャリアが明確になっている人は、どのような業務が具体的に行われているのかや、離職率が多い理由、幹部が交代した理由など、ピンポイントでの質問を投げかけます。

 

こうした質問によってさらに情報を獲得すれば、その企業に応募すべきかどうかに加えて、応募した際の対策などにも生かすことができます。

しっかりと準備を整えた上で転職活動に臨むことができるため、失敗を防ぐことに繋がるわけです。

 

情報収集が上手な人になってください。得手不得手はあるかもしれませんが、これは意識の問題もあります。そして自然と入ってきた情報をすぐに鵜呑みにしないこと。そして、可能な限り人脈を駆使すること。その上で、転職エージェントのキャリアコンサルタントを頼ること。

これが成功するための情報収集の秘訣です。

 

 

転職に必要なのは“意思決定”やブレない焦点

 

意思決定や選択の方向性の間違いが招く転職の失敗

 

転職に必要不可欠なのは情報だけではありません。情報プラス、転職を希望している人の意思決定、これが転職の結果を大きく左右します。

意思決定とは、転職先の決定や、それ以前の業種や職種の選択にも当然関係します。さらには、転職するか否かの選択も、重要な決定事項となるはずです。

 

例えばですが、多くの転職希望者は安定を求める傾向が強いため、できるだけ規模が大きく企業としての実績が多いところへの転職を望みます。しかし、キャリアコンサルタントに相談すれば、「このベンチャー企業へ転職した方が、これまでの経歴を生かせるのではないか」と言われることもあります。

もし、安定を強く望んでいる人であれば、ベンチャー企業を勧められた時点で、それを拒否してしまうことでしょう。

 

その勧められたベンチャー企業の評判が悪かったり、相談者の望むような業務ができなければ拒否するのもわかりますが、キャリアコンサルタントは相談者の意向を無視して求人案件を紹介することはまずありません。

にもかかわらず、「ベンチャー企業だから」という理由でその話を詳しく聞きもせずに断ってしまうのはとてももったいないこと。果たして、これが正しい意思決定と言えるのでしょうか。

 

福利厚生を含めた条件や待遇などを重視するのはわかりますが、そこだけに注目してしまうと、自分にとってメリットの大きい転職はできない可能性が高まります。大きな企業で働くことを強く望むがあまり、結局転職できないという事態に陥るとき、最初の意思決定の段階でその事態を招いているケースもあるのです。

 

意思決定の選択があまり上手とは言えない人は、ちょっとだけ考えたり調べる時間をとりましょう。自分が考えている自身の価値と、実際の市場価値との間に乖離があるため、意思決定の方向性を間違えていないかを冷静に判断するためです。

転職の失敗へと突き進む危険な考え方を見直して、できるだけ早く、正しい意思決定ができるような自分を作り上げておくことが求められます。

 

 

求める条件や目的が定まらないときは 

意思決定ができる人とは、何も即座に応募先を決定したり、すぐに転職へのチャレンジを決められる人だけを指すわけではありません。正しい選択ができるかどうか、重要なのはここです。正しい選択ができれば、それは意思決定のできる人と言えるでしょう。

そういう意味で言えば、意思決定ができない人というのは、転職先企業に求める条件や転職そのものの目的が定まらないという特徴も持ち合わせている傾向が多々見られます。

 

「どこかいいところがあれば転職したい」などと思っている人は、このタイプの典型。もう少し具体的に業種や職種を決めてから転職活動をスタートさせる人でも、求人を色々と見ていく中で、「やっぱりこっちの業界の方がいいかな」とか「職種そのものを変えた方が給与がアップしそうだ」などと、ちょっとした情報にすぐ影響されて、当初求めていた条件や目的を変化させてしまう人も、意思決定が苦手な人と言えるでしょう。

考え方を頻繁に変えた末にたどり着いた選択は、意思決定の正しさとは無縁だからです。

 

それを「優柔不断だから」という考えで済まさないようにしてください。転職するからには、転職後のビジョンまで明確になっていなければいけません。そのビジョンが正しい選択をもたらし、それが意思決定の正しさの証明となるのです。

もし、なかなか焦点が定まらず、転職したいという気持ちはあるものの、その先の条件や目的がコロコロと変わってしまうようであれば、「転職しない」という決断もまた、正しい意思決定と言えるのです。

 

転職しようと思っているのに転職しないを決めることは、決して楽ではありません。しかし、求人探しをするたびに方向性がグラグラと揺らぎ、転職先に望む条件や転職の目的を見失うようであれば、転職活動をしても意味はないでしょう。それは、失敗へと自ら飛び込んでいくようなもの。

であれば、焦点がしっかりと定まり、自らが望む条件及び転職の目的が明確になってから転職へと乗り出すほうが長期的にみて得策です。転職のタイミングは若干遅れるかもしれませんが、キャリアが充実したものになる可能性はずっと大きくるからです。

 

意思決定が正しく行われるかどうかは、自分自身の中に確固たる軸があり、焦点が定まっているかどうかにかかっています。それは間違いなく転職の成否にも関わってきます。

こうしたことを認識し、自らのキャリアにできるだけダメージを残さないような転職を心がけていきましょう。

 

 

焦点が明確な人ほど転職は成功する

 

もう少しだけ、転職に成功しやすい人の特徴を説明していきましょう。

 

事実として押さえておきたいのが、焦点が明確な人は転職に成功しやすい傾向があるということ。多くのキャリコンサルタントもそう感じています。

焦点が定まっているとは、「これまでの実績をこのように生かしたい」と明確な自己分析結果と転職の目的が存在しています。すなわち、転職先へ望むことや転職後のキャリアが定まっていることを意味します。

すると、最初かあ選択肢が限られてくるため、企業分析に時間をかけられるというメリットがあります。複数の企業の比較もしやすいでしょうし、キャリアコンサルタント側も焦点が明確になっている分、案件を紹介しやすいでしょう。

 

焦点が明確な人は、実はキャリアコンサルタントからのアドバイスも聞き入れる態勢が整っていることが多いです。一見、コンサルタントからの助言には耳を貸さないイメージなどもあるかもしれませんが、決してそうではありません。

その焦点がブレない限りは、転職の目的を達成しキャリアをより確実にアップさせるために、他者からの意見もしっかりと聞き入れていくでしょう。もしベンチャー企業を勧められれば、それも一つの選択肢としてしっかりと検討できる人、ということです。それは、当然、正しい意思決定を下すことに繋がります。

 

「転職に成功した人が周りにいるから」、「転職に成功したら今よりも楽に稼げるようになるかも」、「今の仕事に飽きたから転職したい」、「この仕事は自分に向いていないかもしれない」などは、転職の動機としては決して珍しくはありませんが、こうした動機で転職することはおすすめしません。もちろん、焦点がぼやけたままだからです。

 

「それでも自分なら成功する」とは、決して思い上がらないこと。求人が一つ出れば、そこに数十人もの人が応募をし、大手企業や有名企業であれば、100人を超える応募者が集まります。その中から採用されるのは1人か2人。

非公開求人のようなキャリアコンサルタントからの紹介案件であれば応募者を限定することができるので採用される確率は高まりますが、そもそも焦点が定まっていない人には、優良案件を紹介してくれることもありません。

これが、焦点が明確な人ほど転職に成功しやすい理由。そして、焦点が定まらない人ほど転職に失敗してしまう理由です。

 

激しい競争を勝ち抜くのは容易ではありません。ライバルは皆自分よりも能力や経歴の面で上であり、であればどう戦えばそれを勝ち抜いていけるのかを考える必要が出てきます。その点について考えに考えれば、自然と結論が導き出されてくるのではないでしょうか。

とりあえず、焦点を明確にしてみましょう。そのための努力も怠らないようにしましょう。もし焦点を明確にする能力がないのであれば、それは意思決定が苦手な証拠であり、つまりは、転職の成功も望むことはできません。まずは、この作業からスタートさせるべきです。

 

 

おわりに

 

転職はスタート時点の情報収集や意思決定で、その後の成功と失敗の明暗が分かれます。

ほんの少しだけ謙虚に自分自身を客観的に見つめ直す考え方を取り入れるだけで、一番重要といわれる自己分析も正しく行うことができるのです。転職市場における自身の価値も冷静に判断できるため、自然と転職の成功率が変わるのです。

 

そして、冷静に考えた結果、いまは転職をしないという決断も有効です。それは立派な意思決定ですし、ある意味、焦点が定まっていう状態です。転職のタイミングは人それぞれなのですから、自分だけのベストなタイミングでの転職をすると決めていいのです。

質の高い情報収集と正しい意思決定のプロセスは、それを叶える最初の一歩なのです。

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