ビジネスマナーの基本

1.この人の下で仕事をしたい!と思ったクライアントのマネージャー(広告代理店)

現在28歳の、広告代理店のプランナーをしている女性です。
この職場に転職して3年になりますが、もともと新卒後に化粧品会社の企画担当を3年してからの転職でしたので、プランナーとしてのキャリアは一応6年になります。

仕事がやりやすい。最初にすべての条件、判断の基準を提示。後出し条件は基本しない

広告代理店のプランナーと言ってもいろいろな仕事の仕方があるようです。クライアントのところには基本的には営業だけが行って、プランナーはプレゼンの時だけ同行する、というやり方と、最初の売り込みから営業とプランナーがペアになって訪問して、相手のニーズなどを聞き取り、プランを立て、プレゼンには当然一緒にいくというやり方です。

私の場合は、基本的に後者で、それも営業をさしおいて、積極的にクライアントに発言をする、というタイプでした。

クライアントにはいろいろな人がおり、正直言って、絶対この人とは商売だから話すけれど普通だったら一緒に仕事はしたくないな、という人も結構いました。しかし、Aさんはその中で、私が唯一、次に転職するならこの人の下について仕事をしたい、と思うくらい、傾倒した人です。

そのように思った理由はいくつかあります。まず第1に本当に仕事がやりやすいのです。

彼の仕事の仕方は、最初にすべての情報と判断の基準を出してくれます。具体的には、なぜこの仕事をしようと思っているかの外部要因とそれについての判断、そしてその状況の中での全社として取ろうとしている戦略、その戦略の中で今回の仕事の位置づけと達成目標と目的、予算、進め方のステップ(いつ第1案をもらって、それをだいたいどれだけで返すからその上で第2案をもらって、問題がなければ最終にしたい)、というようなことです。

そして、それを提示した後は、完全に仕事を任せてくれます。途中ではほぼ何も言いませんし、後出しでの条件を言ったりすることもありません。途中で状況が変わった時には、それを正直にこちらに伝えて、謝ったうえで、方向の転換を指示してきます。非常にですから仕事がやりやすく、気持ちいいのです。

これは我々外部の人間にだけでもなく、時々部下も一緒に連れてきて、仕事を任せていますが、その時にも、最初に大きな方向の話をした後は、完全に任せて、よほどのずれがない限り、最後までやらせています。

責任を負う覚悟がある。ジョークをはさみ場を和ませる余裕も

それに加えて、常にリスクをとろうという姿勢があります。こちらとしては、一応仕事をもらいたいので、相手に気に入られそうな案と、自分としてはこちらの方が絶対に面白いと思うけれど、一般の会社なら怖気づいて選ばないだろうなという案の2種類を出します。そうすると、ほぼ確実に後者を彼は選ぶのです。常にリスクをとらない限り、勝負に勝てない、という信念があるようで、こちらが返って「大丈夫ですか?」と言ってしまうようなジャッジをたくさんありましたが、本人は一向に平気です。

こう書いてくると、非常に厳しい風貌の、できるビジネスマン的な感じがしますが、中身は確かにそうなのですが、表面的には、非常に穏やかで腰が低く、我々に対しても常に丁寧で、声を荒げることや強引な話しぶりをすることはありませんでした。それどころか、時々仕事上のちょっとしたジョークをはさんで、場を和ませてくれました(個人的な話題は一切しませんでしたが)。

そんな彼でしたので、本当にこの人の下で仕事をしたら、まず仕事がやりやすい、そして自分も間違いなく成長させてもらえると思いました。
ですので、そんな彼の仕事が入りそうになると、コンペで絶対に勝とうと、いつも以上に気合を入れてプランニングに励んだものです。

私は、それからまたほかの広告代理店に転職をしてしまったので、それ以来彼に会っていませんが、いまだに彼以上の人には出会ったことがありません。

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